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あそう栄作の“みんな、どげえかえ”

見ぬふりをしてみる!

  11月 1日(木) 灯台の日、自衛隊記念日、晴れ

 早いもので、霜月になりました。今年も残り2カ月です。師走月の前の仕舞月とも言われています。
 今朝も、毎月恒例の実践倫理の朝起き会からスタートしました。
 今日は、決算審査特別委員会の採決です。県政の最大の課題であります人口減少に歯止めをかけることの成果が出ていない中、不祥事も頻発し、決算を認定すべきか、悩みに悩みました。結論は、認定することとしました。
 哲学者鷲田清一氏は、『「見て見ぬふりをする」ことと「見ぬふりをしてみる」ことは同じように聞こえるけれど全く正反対である。「見て見ぬふりをする」は、関わりたくないから見なかったことにすることで、「見ぬふりをしてみる」ことは遠目で見守っている態度である。』と言っています。
 山本五十六の『やってみせ/言って聞かせて/させてみせ/誉めてやらねば/人は動かじ』に続き、『話し合い/耳を傾け/承認し/任せてやらねば/人は育たず』を思い出しました。
 今の県行政の最大の課題は、関わりたくないから「見てみぬふりをする」が横行し、話し合う空気もいまイチ!情報共有も相変わらず縦横斜めの横断的情報共有がされているとは言い難い組織です。KPⅠも「なんちゃってKPⅠ」で「ダメダメKPⅠ」になり下がっています。トップが、人口減少に歯止めをかけるアイディアを本気で探し、地方に元気を取り戻すための最高の結果を出すKPIマネジメントの実践が求められています。その上で、「見ぬふりをしてみる」、遠目で見守っている態度が重要となりますが、今の多くの県庁職員には、それに関わりたくない雰囲気が充満していると感じているのは私だけでしょうか?
 「関わりたくないから見なかったことにする」意識の職員の増殖は、不祥事を更に生み出す温床となりかねません。そう言う意味で、今回の決算特別委員会での採決において私の結論は、不認定しかないと覚悟を決め、審査に望みました。
 それでも、もう一度だけ、「見ぬふりをしてみる」、「遠目で見守る」態度で、「話し合い/耳を傾け/承認し/任せてやらねば/人は育たず」の言葉を信じ、見守る断腸の決断をしました。
 県庁職員の採用において、「関わりたくないから見なかったことにする」、その方が安定した公務員生活が送れると考える人の均一的人材が集まっているとするなら、採用基準から見直すべきです。
 また、今回、決算審査で、成果を出すKPⅠについて検証する中で、各部局の内部統制をはじめ、会計管理局の審査指導室、監査事務局、監査委員、包括外部監査、それぞれが違った専門的見地及び視点から情報共有しながら多角的にチェックする人材的要素が欠けていることを痛感しました。これ程の大きな組織にも関わらず、公認会計士資格者、税理士資格者、中小企業診断士資格者、KPⅠの専門家,通信情報関係技術者などの姿が見えないのです。或いは、その道のスペシャリストとして、資格者を育成する仕組みが構創・構築されていないのです。私のサラリーマン時代には、理工系から文科系まであらゆる分野からの採用がなされ、入社後に多くの国家資格取得者が生まれていました。それをサポートする制度もありました。
 人口減少に歯止めをかけ、地方に元気を取り戻すには、人を大事にし、人を育てることが欠かせません。それには、県庁自身の実践が問われています!
 また、「見ぬふりをして見守る」遠目で見守っている態度は、職人が弟子を育てる世界とも共通するものです。技能職などの職人をはじめ、あらゆる分野の担い手不足も大きな課題です。本県のこうした最重要課題について、危機感を持って遠目から見守りながらスピーディーかつ確実に前進させなければなりません。来年度の予算編成要望に、まずは、活かします。
 

プロフィール

Eisaku Aso

昭和37年1月20日生
大分県議会議員
(第73代大分県議会議長)
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